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半導体不足による太陽光への影響は?導入時期の遅れと価格高騰の懸念

2021.10.01 お役立ちコラム


半導体不足で「太陽光発電システムを導入できない」、「導入時期が大幅に遅れる」などの情報を耳にしたことがある方もいるでしょう。半導体不足は世界で問題となりつつあり、太陽光発電システムについては価格面での懸念もあるため、導入を検討している方は注意が必要です。なぜ半導体不足が起こったのか、また、太陽光発電システムへの影響について解説します。

半導体不足の原因

半導体不足の原因はいくつか挙げられますが、主な原因を3つ紹介します。

アメリカの半導体工場が停止

寒さの影響で、アメリカにある半導体工場が一時閉鎖されました。半導体工場が停止したことによって、自動車メーカーに大きな影響が及ぶといわれています。

半導体工場の火災

半導体工場のルネサスエレクトロニクスの工場で火災が発生し、操業停止となりました。火災の影響で操業停止となったことにより、出荷量が大幅に減少したのです。

家電やゲーム機の需要が高まった

新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が増え、家電製品やゲーム機器などの需要が高まりました。例えば、ソニーのゲーム機器に使用されている半導体チップは台湾のものを使用していますが、ソニーのみが希望しているわけではないことから世界中で取り合いになっているのです。
さらに、テレワークが推奨され、自宅で仕事をする方が増えたり、オンライン学習で使ったりと、パソコンやタブレットなどの電子機器の需要も急激に高まりました。

半導体不足に注目しなければならない理由

半導体不足によって、企業が自社の製品を作れなくなり、需要に対して製品を供給できなくなります。そのため、企業の売上が下がり業績が悪化するリスクがあるでしょう。また、半導体不足は様々な市場に影響を及ぼします。アメリカの自動車メーカーは工場を一時停止、イギリスでも数日間停止し、日本においてもトヨタ自動車の工場が数日間停止しました。
自動車業界から様々な業界に業績悪化が派生する可能性があります。半導体不足が、経済に対する大きな問題につながると懸念されているのです。

太陽光発電メーカーの遅延状況

パナソニックの太陽光発電の生産が遅れていることが注目されていますが、他のメーカーもパワーコンディショナーの生産が遅れていると報告されています。
京セラ、シャープ、長州産業カナディアンソーラー、Qセルズ、田淵電機などが挙げられます。
半導体不足により在庫を奪い合う状況になっていますが、基本的には太陽光発電メーカーよりも自動車業界に優先的に供給されていることが特徴です。

半導体不足により太陽光発電の価格が高騰する可能性

半導体不足によって、今後太陽光発電システムを導入できる時期が遅れる可能性があります。また、太陽光発電システムの導入時期が遅くなるだけではなく、価格が上がる場合もあるため注意が必要です。そこで、半導体不足による価格への影響について理由を紹介します。

材料費が上がる

半導体不足のほかにも、太陽光発電システムに使用される材料費が高騰していることが注目されています。
特にガラスは値上がりしており、太陽光パネルの高騰に影響しているといわれています。太陽光パネルの表面には強度があるガラスが使われており、近年ではガラス太陽光パネル1枚の容量が大きくなっていることが特徴です。
さらに、太陽光で発電できる部分を表面のみではなく裏面にも作り、地面から反射した光でも発電できる太陽光パネルもたくさん販売されています。そのため、ガラスの需要が増えているのです。
加えて、ガラス製造業ではエネルギーの消費量が多く、汚染物質を排出することから中国ではガラス製造工場が規制の対象になっているためガラスの希少性が高くなっています。
太陽光発電システムに使用されるガラスだけではなく、ポリシリコンといった他の材料費も価格が上がっており、太陽光パネルの価格が上がることにつながっているといえるでしょう。

輸送コンテナが不足している

世界で海上輸送用のコンテナが不足しているため、輸送費が上がっていることが特徴です。新型コロナウイルスの影響で船便も減り、加えて海上輸送コンテナが不足しているという状況です。そのため、太陽光パネルのほか、いろいろな業者や業種が海上輸送コンテナを確保しにくい状態になっており、輸送費が高騰しています。
新型コロナウイルスの感染拡大以前と比べて輸送費が最大で5倍になっているといったケースもあり、材料費の高騰と加えて太陽光パネルの価格が上がっている大きな理由のひとつだといえます。

太陽光発電システムの導入は早めに検討しよう

太陽光発電システムの設備である太陽光パネルの納品、製造状況は常に変化しています。半導体不足のほか、材料費や輸送費の高騰などが原因で今後太陽光パネルの希少性が高くなり、さらに価格も高騰する可能性があります。半導体不足で太陽光発電システムが入手しにくい状態になる前に、早めに導入を検討しましょう。

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