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半導体不足の原因は需要過多!新しいFIP制度の内容とは?
世界的に半導体が不足しており、様々な業界で問題視されています。なぜ半導体が不足しているのか、蓄電池や太陽光発電システムにどのような影響を及ぼすのか解説します。
また、4月からは新たな助成金制度が始まりますが、具体的にどのような制度なのかも合わせて確認しておきましょう。
世界的に半導体が不足している主な理由
半導体は、新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大する前から、供給よりも需要が高い状態でした。半導体はアメリカが開発したものですが、現在では半導体チップを製造するアメリカのメーカー数は大幅に減っています。
加えて、長時間上昇し続けた需要に対して、工場を新たに建てるためには莫大な費用がかかるため、多くの企業は対応できない状態です。
つまり、半導体不足の原因は、需要が拡大し続けていること、工場の建設ができないことなどが理由だといえます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
半導体の需要が拡大し続けている
新型コロナウイルスの拡大に伴い、世界中の様々な工場が閉鎖されたことにより、半導体チップを作る材料も入手できない状態が続いていました。
また、自宅で過ごす時間が増えたことによって、電化製品の需要も上昇しています。新しい需要に対して必要な導体チップを作れず、注文が溜まっていく状態になっています。
自動車メーカーのなかには、自動車を作るための半導体チップの必要量を予想し、半導体チップを作成するメーカーにあらかじめ発注することがあります。しかし、現段階では民生用の半導体チップを作ることがメインであり、自動車メーカーが半導体チップを入手するまでに時間がかかっています。
さらに、ライフスタイルも大幅に変化し、学校ではタブレットやノートパソコンを使った授業が行われたり、自宅で過ごす時間が増えゲーム機器やテレビを購入したり買い替えたりする機会も増えました。加えて、5Gが普及することによって、半導体の製造が追いつかなくなっています。
港が閉鎖された
半導体チップの製造工場のみで問題が起こっているわけではなく、2ヶ月間港が閉鎖されたことも半導体チップが不足する理由のひとつです。
世界の荷電製品のおよそ9割が中国の港を経由しますが、中国の港が閉鎖されたことによって数百にも及ぶコンテナ船が停泊する状態になりました。港が開いた後も、出荷する製品が山積みになり、供給までに時間を要したのです。
4月から始まるFIP制度とは
FIP制度は「フィードインプレミアム(Feed-inPremium)」の略です。固定価格で電力を買い取るFIT制度に対し、FIP制度は事業者が卸市場で電気を売った際に、売電価格に対し、一定の補助額を加算することによって省エネの導入を促す目的があります。
FIP制度のシステムとは
FIT制度は電力会社が電気を買い取る際、1kwあたりの単価が決まっていました。
FIP制度においても、標準価格は決められています。標準価格は電気を効率よく供給する際に必要な金額の見込み額を基本として、あらゆる事情を含んで検討し、設定されています。
FIP制度が開始された直後は基準価格をFIT制度の調達価格と同様の水準にしています。
加えて、参照価格も決められていることが特徴です。参照価格は市場取引で発電事業所が得られる収入分であり、1ヶ月ごとに見直しされます。
基準価格と参照価格の2つの価格の差を補助額として、発電事業者が受け取ります。発電事業者は、売電価格に補助額を加算した金額を受け取れるのです。なお、補助額は参照価格に合わせて変動するため、1ヶ月ごとに異なります。
FIP制度による電気事業のメリット
FIP制度は、電気自動車が補助額を受け取ることで省エネに投資する収入を確保できます。加えて、電気の需要と供給によって変わる市場価格を意識しつつ発電でき、蓄電池を利用することで市場価格が高いタイミングで売電すれば収入をあげられることがメリットです。
事業者が需要と供給のバランスに合わせて発電をするためには、蓄電池の活用が促進され、省エネ発電事業者が電力市場事情と統合することも考えられるでしょう。
しかし、FIP制度によって全事業者が需要と供給のバランスをとれるわけではありません。規模が小さい省エネ電源をまとめて蓄電池と組み合わせ、需要と供給の管理をして取引を代行するビジネスが発展する可能性もあります。
新しい補助金が始まるので今は品定めをしよう
海外ではすでにFIP制度を導入している国があり、日本も導入される予定です。FIP制度は、収益を予測しにくいことがデメリットですが、市場価格が高いタイミングで売電することで収益を上げられることがメリットです。
電力業界で競争が起こることにより消費者にもメリットがあるため、FIP制度開始後はさらに再生エネルギーが普及する可能性があります。
FIP制度の導入と、半導体が不足していることから、現段階ではゆっくり品定めをするのがおすすめです。専門業者へ相談しながら、慎重に検討しましょう。