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お役立ちコラム
停電で蓄電池が使用できない!蓄電池を使った正しい停電対策
大災害が起こり停電した際に備えて蓄電池を設置している、または設置を検討しているケースも多いのではないでしょうか。しかし、実際に停電になった際、蓄電池をしっかりと有効活用するための準備を整えているという方は少ないでしょう。
停電時にどの程度の電力を使用できるのか、しっかりと使用方法を確認しておかなければ、停電で蓄電池が使用できないといったトラブルが起こる可能性があります。蓄電池を使った正しい停電対策をしておかなければ、万が一の災害に備えて蓄電池を導入したにも関わらず蓄電池を活用できないといったことにつながるでしょう。
そこで、停電で蓄電池が使用できないといったトラブルを防ぐための正しい停電対策について紹介します。
停電で蓄電池が使用できないケースとは
蓄電池を設置していても、正しい停電対策を行っておらず、いざという時に蓄電池を使用できないといったトラブルが起こることがあるでしょう。そこで、停電で蓄電池が使用できなくなるケースについて紹介します。
自立運転に切り替えていない
停電で蓄電池を使用する際には蓄電池の運転モードを切り替える必要があります。日頃蓄電池を使用している際にはグリーンモードや経済モードなどを選択しているでしょう。
しかし、停電が起こった際にはグリーンモードや経済モードのままでは蓄電池に溜めている電気を使用できません。グリーンモード、経済モードから自立運転モードに切り替えることによって、蓄電池に溜めている電力を使えるようになります。
自立運転モードとは
通常は各メーカーの蓄電池には停電を感知するセンサーが取り付けられており、自動で自立運転モードに切り替わります。
機種やメーカーによっては自立運転に自動で切り替わる機能がついていなかったり設置したばかりで、自動でモードを切り替える設定を行っていないというケースもあるため注意が必要です。
自動で自立運転モードに切り替わる場合
停電が起こった際に自立運転モードに切り替え蓄電池に溜めていた電気を使用できるように、自立運転モードに切り替える必要があります。
蓄電池ごとに自動で自立運転モードに変わるのか手動で切り替えなければならないのかは異なります。
自動で自立運転モードに切り替わる設定をしているのであれば停電が起こった後およそ5秒程度で蓄電池から放電されます。切り替わるまでの時間は蓄電池によって若干違いがあるでしょう。
自立運転モードに自動で切り替わる場合は停電が復旧した後手動で、連携運転モードに切り替える必要があります。
手動で自立運転モードにする場合
手動で自立運転モードにする場合には停電が起こった際にモニターで操作し連携運転モードから自立運転モードに自分で切り替える必要があります。
通常は太陽光発電ブレーカーと主電源ブレーカーを切ることで自立運転モードになりますが蓄電池によって操作方法に違いがあります。そのため、蓄電池の取扱説明書をしっかりと確認しましょう。
停電が起こった際に切り替える方法がわからず蓄電池を使用できないといったことが、起こらないよう災害が起こる前に蓄電池の自立運転モードに切り替える方法や設定について必ずチェックが必要です。
使いたい家電に対して電力が不足している
電力使用量が多い家電製品は自立運転した際に出力不足になり使用できないことがあります。例えば、適用範囲が広いエアコンや、IHといった家電製品です。蓄電池は、容量の他に自立運転モードで使える最大出力が定められています。
蓄電池から1回の出力で使用できる電力は限られているため、停電が起こった際に、いくつかの家電製品を使いたい場合、家電製品の出力が蓄電池の最大出力以下にならなければいけないのです。出力の大きな家電製品を同時に使用すると蓄電池の最大出力を超えるため家電製品を使用できません。
近年200Vの家電製品でも使用できるような自立運転モードの最大出力が高い蓄電池も発売されています。停電に備えるために蓄電池を設置したいという場合には200Vに対応した最大出力が高い蓄電池の導入も検討すると良いでしょう。
家電製品コンセントと蓄電池の種類が合っていない
停電が起こった際に蓄電池に溜めていた電力で使用できるコンセントは、蓄電池の種類によって異なります。蓄電池は特定負荷型と全負荷型の2つがあり、それぞれ使い方が異なるため注意が必要です。
全負荷型と特定負荷型の違い
全負荷型は蓄電池に溜まっている電気で住宅全部の電気を使用できることが特徴です。特定負荷型は設置をした際に設定した家電製品と部屋だけで使用できます。そのため、設定していない部屋と家電製品では使用できません。
特定負荷型のほうがメリットは大きい
特定負荷型は停電が起こった際にも普段と変わらない生活ができるということがメリットですが、使用電力の消費量が大きいため蓄電池は短期間の停電にしか備えられません。
特定負荷型は使用できる家電製品や部屋が限られるものの、全負荷型と比較して長期間蓄電池を使用できるため、停電期間が2週間~1ヶ月と長くなった場合にも活用できるでしょう。
使える家電製品を確認しておこう
コンセントと蓄電池の種類が合っていないと、蓄電池内の電気が残っていても電気は使用できません。
蓄電池の残量が少ないと勘違いしないよう、特定負荷型を選んだ場合にはあらかじめ停電が起こった際に使える家電製品や部屋をチェックしておくことが大切です。
停電時に蓄電池を活用するためのポイント
夕方から夜に停電が起こった場合、手動で自立運転モードに切り替えなければならないと、蓄電池の使用方法が分からなかったり暗い中でモニターを操作できなかったりと蓄電池を活用できない可能性があります。
停電が起こった際に慌てないよう、日頃から設定をチェックしておきましょう。
蓄電池は、出荷される際には「手動で自立運転モードに切り替える仕様」になっており、施工業者が自動で自立運転モードに切り替わる設定に変更していないことがあります。
そのため、蓄電池を導入した後は自立運転モードに切り替わる設定になっているかどうかをチェックしましょう。
太陽光発電システムと併用するのもおすすめ
太陽光発電システムのみでは、雨の日や夜の時間帯は電気を使用できません。蓄電池のみでは、溜めていた電気を使い切ると充電できず、電力を使用できないことがデメリットです。
太陽光発電システムと蓄電池はそれぞれ便利なアイテムですが、1つだけでは十分な停電対策は行えないといえるでしょう。
そのため、太陽光発電システムと蓄電池は併用するのがおすすめです。併用すれば、日中に太陽光発電システムで電気を生成し、蓄電池に充電できます。太陽光発電システムで発電できない雨の日や夜間は、蓄電池の電気を使用することで、それぞれのデメリットを解消することが可能です。
1日を通して電気を使用できるため、長期間の停電が起こっても生活に大きな支障をきたすことなく復旧を待てるでしょう。
停電に備えて蓄電池の使い方を確認しよう
災害時に長時間停電をした際でも蓄電池を導入していれば、安心して普段とほぼ変わらない生活を送れるでしょう。停電時に使いたい家電製品によって異なりますが、蓄電池を導入していれば数日間は生活を保つことが可能です。
しかし、蓄電池に溜めている電力を使う際には自立運転モードに切り替えたり、全負荷型なのか特定負荷型なのかによって注意点が異なったりするため蓄電池の特徴や使用方法を、災害が起こる前に確認しておくことが大切です。
停電が来た際にも、慌てずに蓄電池を活用できるように準備しておきましょう。