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DER補助金とは?DER補助金の概要を徹底解説
蓄電池システムの省エネ性能が優れていることは知っていても、導入費用が高額になるため、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。そこで活用したいのが補助金です。補助金を活用することで、導入費用を抑えることができます。
今回は蓄電池システムの導入に活用できる、一般社団法人環境共創イニシアチブが事業展開するDER補助金について徹底解説していきます。
DERとは?
DERとは、太陽光発電システムや家庭用蓄電池、電気自動車などで発電および蓄電した電力を、アグリーターによって効率よく管理・運用するシステムです。
これは一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が進めている「分散型エネルギーリソース」のことで、かつてはVPPとも呼ばれていました。
分散型エネルギーリソースを英語で表記すると、Distributed Energy Resourcesとなるため、その頭文字を取ってDERとしています。
DER補助金は、正式には「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金」と言い、そのうちの「再生可能エネルギー発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち分散型エネルギーリソースのさらなる活用に向けた実証事業」に参加する事業者などに対する補助金となります。
この実証事業の目的は、電力システムの需給変動に対処することです。電力需給の変動は季節や時間帯によって大きく、コントロールすることが難しいという課題があります。
例えば、会社勤めの人が帰宅する17時〜19時は電力需要が上昇し、市場価格が高くなります。そこで工場や一般家庭で使っていない蓄電電力を活用することで、電力需給の平準化を目指すのです。
このようなシステムが実現すると、発電コストが大幅に削減され、化石燃料への依存度を抑制するといったメリットもあります。そのため実証事業を行い、より効率的な電力システムの構築を目指しているのです。
DER補助金の概要
DER補助金は、次の3つの事業に対して行います。
A事業…アグリゲーターに制御信号等を送る基盤整備事業
B事業…アグリゲーターが行う事業(DERアグリゲーション実証事業)
C事業…家庭で設備を導入する事業(DER等導入事業)
この3つの事業のうち、一般の家庭で蓄電池システムなどを導入する際に活用できるのがC事業です。
2022年度についての詳細はまだ発表されていませんので、2021年度について次の項目で紹介します。
DER補助金の対象
DER補助金を受けられる対象機器は、家庭などに導入する蓄電池システム、V2H充放電設備、燃料電池、エネルギーマネジメント機器(HEMS機器)、IoT関連機器の5つです。それぞれについて見てみましょう。
SIIで事前に登録される機器を導入することと、蓄電システムの購入価格と工事費の合計が目標価格以下であることが条件になります(2021年度家庭用蓄電システム目標価格は設備と工事費・据付費で16.5万円/kWh)。
補助金上限額:設備費・工事費…4万円/kWh(初期実行容量、TPOモデルの場合は5.5万円/kWh)
令和2年度第3次補正予算「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の交付対象のうち、一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)にV2H充放電設備として承認された設備を導入することが条件になります。
補助金上限額:設備費…75万円/台、工事費…40万円
一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)で、事前に登録された機器を導入することが条件です。
補助金上限額:設備費・工事費…5万円/台
EMS機器は、通信装置、制御装置、専用モニター装置、計測装置、センサーなどで、IoT関連機器に関してはDER設備をIoT化するのに必要な設備が条件になります。
補助金上限額:設備費・工事費…10万円/台
補助金活用の一例
一般社団法人環境共創イニシアチブでは、補助金の活用について一例を紹介しています。この一例で購入するのは下記の2つです。
家庭用蓄電システム(設備費+工事費・据付費が99万円、初期実行容量が6kWhを想定)…補助金額は最大24万円
IoT機器(設備費・工事費が20万円)…補助金額は最大10万円
このケースでは合わせて119万円の導入費用に対して、34万円が補助金として支給されることになります。割合で言うと、約28%が補助金でまかなえることになります。
DER補助金のスケジュール
補助金の公募期間は、2021年度の場合、2021年4月9日から2021年12月24日12時になっています。この期間に申請書類が届くことが必須条件ですが、予算額に達した場合は受付は終了されます。そのため早めに申請することが欠かせません。
また申請手続きなどは、B事業を行うアグリゲーターが代行しますので、アグリゲーターが窓口となります。事業への参加が決定しているアグリゲーターは一般社団法人環境共創イニシアチブで確認することができます。
補助金を活用することで経済的な負担を軽減して省エネ機器を導入する
蓄電池システムは省エネにも、地球環境にも優れているとは分かっていても、導入費用が高額なのがネックです。しかしこのような補助金を活用することで、経済的な負担を軽減させることができます。
ただし補助金の支給は、3年間の実証実験が終了した後になります。こうした点も踏まえて導入を検討してください。
弊社でもあらゆるご相談に応じています。ぜひお問い合わせください。