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パナソニックHEMS新FIT対応の進化

2025.12.22 お役立ちコラム

2026年1月、パナソニックは自社のHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)サービスを大幅に更新すると発表しました。今回のアップデートで大きな注目を集めているのが、新FIT制度に対応し、売電と自家消費を自動で判定・制御できる仕組みが導入される点です。電気代の高騰や再生可能エネルギーの活用が当たり前になりつつある今、このアップデートは多くの家庭にとって現実的かつ実用的な意味を持つものだと言えるでしょう。

■ HEMSとは何か、改めて整理する

HEMSとは、家庭内の電気使用量や発電量を「見える化」し、効率的なエネルギー利用を支援するシステムです。太陽光発電、蓄電池、エコキュート、EV充電器などと連携し、家庭全体のエネルギーの流れを一元管理します。
パナソニックはHEMS分野の草分け的存在であり、住宅設備・家電・エネルギー機器を横断的につなぐ点に強みを持ってきました。

しかし近年、HEMSに求められる役割は「見える化」から「自動判断・自動制御」へと大きく変わっています。今回のサービス更新は、まさにその流れを強く意識したものです。

■ 新FIT制度と家庭の悩み

FIT(固定価格買取制度)は、太陽光発電の普及を支えてきた制度ですが、制度開始当初に比べて売電価格は大きく下がりました。
新FITの時代では、

  • 売電するより自家消費した方が得なのか

  • それとも売電を優先した方が良いのか

  • 時間帯や季節で判断は変わるのか

といった悩みを、多くの家庭が抱えています。

実際、昼間は電気を余らせて安く売り、夜に高い電気を買っている家庭も少なくありません。この「もったいない状態」をどう解消するかが、これからの住宅エネルギー管理の核心です。

■ 26年1月更新の最大のポイント

パナソニックのHEMSサービス更新で最大の特徴は、売電と自家消費をシステムが自動で判定する点です。

具体的には、

  • 太陽光発電量

  • 家庭内の消費電力

  • 電力会社の契約内容

  • 売電単価と買電単価

  • 蓄電池の残量や劣化状況

といった複数の情報をHEMSが常時把握し、「今は売るべきか」「今は使うべきか」を自動で判断します。これまでユーザーが手動で設定していた部分を、システム側が肩代わりするイメージです。

■ 「考えなくていい」価値

この自動判定の価値は、単に電気代が下がることだけではありません。
毎日の生活の中で、「今日は天気がいいから設定を変えよう」「今月は売電優先にしよう」と考えるのは、正直なところ負担になります。

パナソニックの新HEMSは、その判断を“生活の裏側”で静かに行います。
ユーザーは意識せずとも、結果として最適なエネルギー利用が実現する。この「考えなくていい」という価値は、忙しい現代の家庭にとって非常に大きなメリットです。

■ 蓄電池・EVとの連携も進化

今回の更新では、蓄電池やEV(電気自動車)との連携強化も重要なポイントです。
太陽光で発電した電気を、

  • まず家庭で使う

  • 余れば蓄電池にためる

  • さらに余れば売電する

といった制御が、より細かく、より柔軟に行われるようになります。

EVを所有している家庭では、「今日はEVに充電する」「今日は家庭用に回す」といった判断も自動化され、HEMSが家庭内の“電気の司令塔”として機能します。

■ 電気代高騰時代の現実解

電気代の上昇は一時的なものではなく、構造的な問題になりつつあります。
その中で、太陽光発電・蓄電池・HEMSを組み合わせた「自家消費中心の暮らし」は、特別な選択肢ではなく、現実的な防衛策になっています。

パナソニックのHEMS更新は、「設備を入れた人だけが得をする」仕組みではなく、「入れた設備をちゃんと使いこなせる」仕組みを提供する点に意味があります。

■ 今後の住宅エネルギー管理の姿

今回のHEMS更新はゴールではなく、通過点です。
将来的には、電力市場価格や天気予報、地域の電力需給まで含めた制御が当たり前になる可能性があります。

その第一歩として、2026年1月のパナソニックHEMS更新は、
「住宅が自分で考えて電気を使う時代」への明確なメッセージだと言えるでしょう。

今回のHEMSアップデートは、単なる機能追加にとどまらず、「電気をどう使い、どう売るか」を家庭側が意識せずに最適化できる点が大きな特徴です。電気料金の高騰や制度変更が続く中で、こうした自動判定機能は今後ますます重要になるでしょう。パナソニックのHEMSは、設備を“考える家電”へと進化させ、住宅のエネルギー管理を新たなステージへ引き上げようとしています。

■ まとめ

パナソニックが2026年1月に行うHEMSサービス更新は、新FIT制度に対応し、売電と自家消費を自動で判定するという点で、大きな転換点となります。
電気代高騰、再エネ活用、蓄電池・EVの普及といった流れの中で、HEMSは「便利なオプション」から「暮らしに欠かせない基盤」へと進化しています。

これから家づくりや設備更新を考える人にとって、HEMSは単なる管理ツールではなく、家計と環境を同時に守るパートナーになりつつあるのです。

※太陽光や蓄電池に関して、セットではなく単独での工事も可能でございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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