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お役立ちコラム
長州産業蓄電池「E3」エラー原因と対処法
家庭用蓄電池システムは、太陽光発電と連携して電気を賢く使い、停電時にも生活を支える頼もしい存在です。しかし、精密な電子制御を行う装置であるため、使用中にエラーコードが表示されることがあります。
その中でも「E3」系エラーは比較的よく見られ、放置するとシステムの一時停止や充放電の中断につながることがあります。
この記事では、長州産業の蓄電池(KPBP-Aシリーズ、KPBP-Bシリーズなど)で表示される「E3」エラーコードについて、原因・対処法・再発防止策をわかりやすく解説します。
■ E3エラーコードとは
長州産業の取扱説明書によると、E3系のエラーは**「パワーコンディショナ(PCS)」に関連する異常検知**で、主に電力系統の状態や機器間の通信異常を検出した際に発生します。
「E3」という分類の中には、「E3-0.0」「E3-4.0」などの細分化されたコードがあり、末尾の数字によって発生原因が異なります。
実際の画面では、
エラーコード:E3-4.0(30)
と表示されることが多く、これはパワーコンディショナ内部の検出異常を意味します。
■ 主な原因
E3エラーの発生要因は複数あります。代表的なものを以下に挙げます。
① 系統電力との同期異常
家庭用蓄電システムは商用電力と常に同期して動作します。
もし系統側の電圧や周波数に一瞬でもズレが生じると、安全のために自動停止し、E3エラーを表示します。
特に雷や瞬時停電(瞬停)後などに発生しやすい傾向があります。
② パワーコンディショナ内部の制御異常
パワーコンディショナは、蓄電池や太陽光発電の直流電力を家庭で使える交流に変換しています。
この変換制御を行う回路で、電流・電圧・温度などに異常が検知されると、自己保護のためE3エラーを出して動作を停止します。
③ 設置環境による影響
屋外設置タイプでは、真夏の直射日光や高湿度、虫・ホコリの侵入が原因で接触不良や過熱が起こることがあります。
内部温度が高くなると、誤作動や安全停止につながります。
■ 対処方法
E3エラーが発生した際の基本的な対応手順は以下の通りです。
1. システムの状態を確認
まずゲートウェイ画面で「エラー発生中」の表示を確認しましょう。
複数のエラー(例:E1-0.0、E2-1.0、E3-4.0)が同時に出ている場合は、E3が主因でなく他のエラーに連動して出ている可能性もあります。
2. 電源リセットを行う
パワーコンディショナのブレーカーを「OFF」にし、5分ほど待ってから「ON」に戻します。
この操作で内部の一時的な制御異常がリセットされ、正常に復帰するケースが多くあります。
3. 停電・雷の影響を確認
外的要因(雷・停電復帰など)で瞬間的な電圧変動が起きた場合は、電圧が安定してから再起動しましょう。
すぐに操作を行うと再発することがあります。
4. 繰り返し発生する場合は販売店へ
同じエラーが1日に3回以上出る場合や、リセットしても消えない場合は、販売店または長州産業サポートセンターに相談が必要です。
(取扱説明書でもこの対応が明記されています。)
■ 放置するとどうなる?
E3エラーを放置すると、パワーコンディショナが保護モードに入り、次のような影響が出ます。
太陽光の余剰電力が売電されなくなる
蓄電池の充放電が停止し、停電時に電力が使えない
システムが待機状態になり、節電効果が低下する
一時的な安全停止とはいえ、放置すればエネルギーマネジメント全体が止まってしまいます。早めの対応が肝心です。
■ 再発防止策
E3エラーを防ぐために、次の点を意識しておくと安心です。
① 設置環境の最適化
パワーコンディショナの周囲は通風を確保し、直射日光を避けるようにしましょう。
夏季は日除けパネルや遮熱板を設置すると効果的です。
② 定期点検を受ける
年1回程度、販売店やメーカーの点検を受け、内部ファンの動作や端子の緩みを確認しましょう。
経年劣化を放置すると再発リスクが高まります。
③ 停電復旧時は慌てない
停電から復旧した際、システムが自動的に再起動するまで数分かかることがあります。
この間に手動操作を行うと、誤作動を引き起こす可能性があります。
■ まとめ
「E3」エラーコードは、長州産業の蓄電池においてパワーコンディショナが異常を検出した際の警告です。
多くの場合、一時的な電力不安定や通信エラーで発生しますが、放置するとシステム全体の停止を招きます。
🔹 一時的な場合 → 電源リセットで解消
🔹 繰り返す場合 → 販売店またはメーカーに相談
普段からエラー表示をこまめに確認し、異常を感じたらすぐ対処することで、長州産業の蓄電池を長く・安全に運用できます。
※太陽光や蓄電池に関して、セットではなく単独での工事も可能でございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。










