COLUMN
お役立ちコラム
長州産業蓄電池 エラーコード「A6-1.L」 が出た朝
太陽光発電のある暮らしというのは、安心感そのものだと思う。
いつの間にか、家のどこかで働いてくれている頼もしさ。
朝になればそっと目を覚まし、夕方になると静かに眠る。
こちらが特別に気をつけなくても、黙々として仕事を続けてくれる。
だからこそ、その静けさの中で突然、
「A6-1.L」
という見慣れない表示が浮かんでいるのを見ると、胸の奥がざわつく。
「1.Lって何?」
「A6系って内部異常じゃなかったっけ…?」
普段は存在を主張しないパワコンが、
少し震える声でこちらに呼びかけているような、
そんな感覚がふと胸の奥に広がってくる。
機械なのに、どうしてこんなに“気づかされる”んだろうか。
■ A6-1.L が意味していること
ざっくり言えば、「A6」系は内部異常のカテゴリ。
その中でも A6-1.L は「内部制御の異常」または「内部回路の異常」 を示すことが多い。
もう少し生活者の言葉に直すと、
パワコンが“うまく息が合っていない動作”を検知して
一度立ち止まっている状態。
「おかしいと思ったから止めておいたよ」
そんな機械の“正直な報告”にも聞こえます。
制御回路の応答が遅れたり、
内部の値が一瞬だけ規定範囲を外れたり、
周辺機器からの信号が噛み合わなかったり…。
そうした小さなズレをパワコンは見逃さない!
人間なら「まあ大丈夫だろう」で済ますところを、
機械は真面目すぎるほど真面目に立ち止まる。
その律儀さが、A6-1.Lという形でこちらに届く。
■ A6-1.L の裏側で起きている可能性
A6-1.L は、原因の幅が少し広い。
けれど、生活者目線でまとめると次のような“背景”が見えます。
● 1)内部基板の動作が乱れた
制御基板とは、パワコンの「司令塔」。
そこがページをめくるように次々処理を行っているのに、
たった一つのページが湿ってめくれなかったような、
そんな小さなつまずきでも異常として扱われる。
・温度が急上昇した
・電圧が瞬間的に跳ねた
・データ処理がほんの一瞬遅れた
“たった一瞬”でもパワコンにとっては重大です。
● 2)通信の噛み合いミス
蓄電池、ゲートウェイ、接続箱。
太陽光の裏側は意外と“会話の連続”で動いている。
A6-1.L は、その会話が途中で途切れた時にも出る。
お互いの言葉を聞き間違えたような、
そんなすれ違いだ。
● 3)環境による負荷
夏の熱、冬の冷気、湿気、ほこり、虫。
屋外機器というのは、想像以上に外界と戦っている。
内部の温度が上がれば処理は遅れ、
湿気が多ければセンサーの反応が鈍る。
それがA6-1.Lとして現れることもある。
● 4)電力側の揺らぎ
雷、瞬間停電、近所の電力負荷の変動。
外から来る“揺れ”をパワコンが受け止めきれない時、
A6-1.L が灯ることがある。
一見関係なさそうでも、電気の世界はとても繊細だ。
■ A6-1.L が出たとき、どう向き合う?
いちばん大事なのは、
こちらが慌てても機械の状態は変わらない
ということ。
だから、まずは落ち着くこと。
次に、できることだけ行う。
✅ 1)電源の入り切り(安全な範囲で)
主電源をオフ
→ 1〜2分待つ
→ オンに戻す
パワコンにとっての“深呼吸”。
一時的な誤検知なら、これで消える。
✅ 2)周囲を確認
・直射日光で熱くなっていないか
・通気口が塞がれていないか
・湿気のこもる場所になっていないか
・昨日、雷は鳴らなかったか
案外、外側の理由で内部が乱れているケースも多い。
✅ 3)再発するなら必ず相談
A6系は内部の話。
A6-1.L が繰り返し出るなら、
「内部に明確な“違和感”がある」サイン。
自分でどうにかできる領域ではない。
無理をして動かし続けると、
内部の基板やセンサーに負荷がかかり、
“修理”では済まないケースに育つこともある。
止めているのは、壊れないため。
そのサインを無視しないことが大事だ。
■ A6-1.L を放置するとどうなる?
はっきり言うと、いいことはない。
・太陽光発電が止まる
・売電が止まる
・蓄電池に充電されない
・停電対策が働かない
・内部劣化が進む
特に怖いのは、
「昨日までは動いていたのに今日突然止まる」
という状況。
これは、小さな異常を見逃し続けた後に起きる“限界突破”。
A6-1.L は、その手前の
「まだ間に合うよ」というサインなのだ。
■ 最後に:A6-1.L は、壊れた知らせではなく“相談の声”
エラーという言葉は人を不安にさせる。
けれど、A6-1.L の多くは
「このまま動くと壊れるかもしれないから、止まっておいたよ」
という、機械の誠実な判断。
機械は嘘をつかない。
調子が悪いときには迷わず止まり、
その理由を短い符号に託して伝えてくる。
そのシンプルな誠実さに、
人間のほうが学ばされることすらある。
A6-1.L が出た日。
慌てず、立ち止まり、少しだけ耳を澄ませてみる。
それだけで、パワコンとの距離はぐっと近くなる。
そして気づけば、
「この機械、こんなに頑張ってたんだな」
そんな優しい気持ちすら生まれてくるかもしれない。










