COLUMN
お役立ちコラム
【A1-6.1】エラーが出たときにまず知っておきたいこと
——専門知識がなくても理解できる“やさしいトラブルガイド”
家庭用の蓄電システムや太陽光発電は、一度設置してしまえば基本的には黙々と働き続けてくれる、とても頼れる装置です。普段はほとんど気にすることもなく、「あ、今日も発電しているんだな」「蓄電池があるから停電でも安心だな」くらいの意識で使っている方が多いと思います。
ところが、そんな“空気のような存在”の蓄電システムが、ある日突然画面に A1-6.1 なんて見慣れない数字を表示してきたら、驚かない人はほとんどいないでしょう。
「え、これって故障?」「このまま使い続けて大丈夫なの?」と、少し焦ってしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、A1-6.1 が表している内容や、実際に起こりやすい原因、そしてユーザーが自分でできる対処方法を、“できるだけ専門用語をかみ砕きつつ、人が読んでも自然でわかりやすい文章”でまとめてみました。
不安になって開いたページだったとしても、読み終わる頃には「なんだ、そんなに慌てなくてよかったんだな」と思ってもらえるはずです。
■ A1-6.1 は「入力が多すぎるから止めたよ」という警告
まずは、このエラーがそもそも何を意味しているのかを説明します。
メーカーの説明書には、A1-6.1 について次のように書かれています。
蓄電量が上限に達したため、パワーコンディショナが異常を検出しています。
これをもっと生活者の目線で言い換えると、
「蓄電池がもう十分満たされているのに、それでもまだ電気が入ろうとしている。安全のため、一旦止めておくね」
といったニュアンスになります。
蓄電池には「ここまでが安全」という上限があります。
満充電“ちょっと手前”くらいなら問題ありませんが、それを超えて電気が入ろうとすると、機器を傷めてしまう可能性があります。
そうならないように、パワーコンディショナ(PCS)がブレーキをかけ、その結果として A1-6.1 というエラーが表示されるのです。
つまり、
A1-6.1 が出た=システムが自分を守った
という側面があり、必ずしも「機器がおかしくなった」というわけではありません。
■ A1-6.1 が出やすい状況とは?
ここからは、実際のユーザーの声や問い合わせからよく見られる「発生しやすい状況」をご紹介します。
これを知っておくとエラーの“心当たり”がつきやすくなり、不安がぐっと減ります。
1. 発電量が急に増えたとき(特に快晴の朝)
太陽光は天候に大きく左右されるため、曇っていた午前中から急に快晴になると、発電量が一気に伸びることがあります。
家の中で電気をあまり使っていないタイミングだと、その“余った電気”がそのまま蓄電池へ流れ込みます。
蓄電池がすでに満充電に近かった場合、その一瞬の入力で上限を超えてしまい、A1-6.1 が出る……という流れです。
これは実際によく見られるパターンで、故障ではなく “タイミングの問題” で起きることがほとんどです。
2. PCS(パワーコンディショナ)の制御が一瞬だけ追いつかなかった
PCS は“システム全体の交通整理”を担当するような存在で、
・どれだけ電気が入ってくるか
・どれくらい蓄電池に送るか
・家の消費電力とどうバランスを取るか
などを常に細かく判断しています。
ですが、気温が高い日や負荷が集中した時間帯には、内部の処理がわずかに遅れることがあります。
その“わずか一瞬”のズレで入力が上限を超えてしまうと、A1-6.1 が出ることがあります。
これは人間で言うところの「ちょっと集中力が切れた」みたいな感覚に近いイメージです。
3. 蓄電池の残量(SOC)センサーがズレていた
蓄電池には“どれくらい電気が入っているか”を測るセンサー(SOC)がついています。
しかし、機器というものは時々、ほんの少しだけ誤差が生じることがあります。
例えば実際には 95% くらい入っているのに、センサーが「まだ 70% くらい」と認識してしまう……ということです。
この状態で太陽光からしっかり電気が入ってくると、予想よりも早く上限に達してしまい、A1-6.1 が出ます。
4. 夏の高温環境(かなり多いです)
蓄電池やPCSは温度に敏感です。
特に夏場は、直射日光や風通しの悪さで機器自体が熱をもつことが多く、その結果として制御がうまく働かなくなることがあります。
暑い日に車がエアコン効きにくくなるのと同じで、機器の処理能力も“熱だれ”を起こしやすくなるのです。
高温によって制御が乱れ、結果として A1-6.1 が表示されるというケースは、実は非常に多く見られます。
■ 自分でできる対処方法(難しくありません)
ここからは、ユーザー自身でできる対処方法を紹介します。
どれも特別な知識はいりませんし、慌てなくても大丈夫です。
✅ 1. まずはシステムを再起動してみる
ゲートウェイまたは PCS の電源を一度切り、10〜20秒ほど待って再度電源を入れます。
“ただの一時的な制御のズレ” が原因だった場合、この再起動だけであっさり直ることが少なくありません。
再起動というのは、家電やスマホでも同じですが、とてもシンプルで効果的な方法です。
✅ 2. 設置環境を確認する(特に温度)
・周囲に物がぎゅっと置かれていないか
・直射日光が当たっていないか
・夏場に風通しが悪くなっていないか
蓄電池・PCS の温度が下がるだけでエラーが消えることも多いです。
✅ 3. 発電が多い日は、あえて少し家電を使う
太陽光の発電量が大きいのに、家の消費が少ないと蓄電池が“全部抱え込む”状態になりやすいです。
そういう日は、
・エアコンを軽くつける
・IHを少し使う
など、わざと電力を家の側で使うことでバランスが取れ、エラーが起きにくくなります。
■ 業者に相談したほうがいいケース
次のような場合は、内部の部品やセンサー、配線の問題が考えられるため、自己判断よりも専門家に任せたほうが安心です。
-
A1-6.1 が 1日に何度も出る
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再起動しても変化がない
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明らかに蓄電量の表示が不自然
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温度が正常なのに連日出る
-
発電・蓄電グラフが極端におかしい
蓄電池は精密機器です。
内部トラブルの場合は、ユーザーが触れる範囲では解決できないことが多いため、早めの点検をおすすめします。
■ 最後に(いちばん大事なこと)
A1-6.1 は、
“危険な状態になりそうだから、一旦止めて自分を守った”
というエラーです。
急に出ると焦りますが、原因の多くは“ちょっとした入力バランスの崩れ”や“一時的な制御の乱れ”です。
大半は再起動や温度管理で改善し、深刻な故障につながるケースはそこまで多くありません。
ただし、何度も繰り返すようであれば、その蓄電池やPCSにとっては“無視できないサイン”でもあります。
そんなときは専門業者へ相談し、早めに原因を取り除いておくと安心です。
※太陽光や蓄電池に関して、セットではなく単独での工事も可能でございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。










