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お役立ちコラム
蓄電池の訪問販売・勧誘トラブル急増!被害を受けないために
2019年に電気の固定価格買取制度が終了することや、災害が頻発していることから、蓄電池が注目を集めています。しかし、注目や需要が高まるにつれて、蓄電池の訪問販売や勧誘のトラブルも急増しているため十分に注意しなければなりません。
そこで、蓄電池の訪問販売や勧誘トラブルの原因や、具体的なトラブル内容、被害を受けないための対策方法について紹介します。
蓄電池の訪問販売や勧誘トラブルの原因
2019年に余剰電力買取制度と、2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されました。
2つの制度により、住宅用の太陽光発電システムで生成した電気の固定価格は10年間と定められましたが、2019年以降は買取期間が順次終了します。
「固定価格買取制度終了以降は売電できなくなる」といった誤情報を信じてしまう人につけこむようにして、悪質な訪問販売や勧誘トラブルが増えたのだといえます。
また、災害が多発しており、災害が起こった際の備えとして蓄電池の導入を検討するケースが多いです。
蓄電池の必要性や、蓄電池がないことによる災害時のデメリットなどの恐怖心を煽りやすくなったことで、訪問販売業者や勧誘業者から購入する人が増えました。同時に、悪質な業者に騙されるといったトラブルも増えているのです。
蓄電池の訪問販売や勧誘トラブル事例
訪問販売や勧誘トラブルでは、高額で蓄電池を購入させられる、アフターフォローがなく蓄電池がすぐに使用できなくなるといったトラブルが挙げられます。
悪質な訪問販売や勧誘を行う業者も増えており、購入者センターへの相談件数も増加傾向にあるため、被害を受けないための対策をすることが重要です。
そこで、主なトラブル事例を紹介します。トラブル事例をチェックし、当てはまる訪問販売業者には注意しましょう。
その場での契約を迫る
「この場で申し込みをしなければ補助金が出ない」「数量限定のため安い価格で買えるのは今だけ」などと言い、その場で契約を迫る悪質な業者も存在します。
蓄電池をすぐに購入するよう迫ったり、長時間勧誘され冷静に考えられない状態で契約をさせたりといったトラブルが報告されています。
モニター料金で案内する
モニター料金で工事費が無料になる、安くなるなどの案内があっても、実際には適正価格もしくは相場以上の価格のケースが多いです。
また、モニター料金で案内する場合、「今日だけの案内です」「今契約した人限定です」など、検討させずにその場で契約を結ぼうとします。
生活習慣に適した蓄電池を提案しない
訪問販売や勧誘業者は、1つの機種だけを大量仕入れし、販売するという方法が一般的です。訪問販売や勧誘業者のスタッフは特定の商品を売るように指示されているため、1つの商品だけのメリットや魅力をアピールします。
商品自体はメーカーが販売しているため高品質の商品で、訪問販売業者から購入しても、他の施工店から購入しても品質は同じです。
しかし、アピールされた蓄電池は、自分の家庭や家族のライフスタイル、蓄電池の使用目的、太陽光発電システムを導入している場合はシステムとの相性が良いかどうかは別です。
蓄電池以外の知識はないスタッフが自宅を訪問し、特定の蓄電池と他の商品の違いに関して説明をしてもらえない、説明を求めても回答を濁されるという場合には注意しましょう。
誤った説明をする
2019年以降、「余った電気を固定価格で買い取ってもらえなくなり、蓄電池の設置が義務化される」という誤った説明や故意に虚偽の説明をして契約をさせるケースがあります。
太陽光発電システムを設置している家庭でも、蓄電池を設置しなければいけないわけではありません。
自分や会社の名前を言わない
名刺を渡さなかったり企業名を言わなかったりといった、極めて悪質な業者も存在します。自分の名前も会社名も言わない訪問販売スタッフは、自宅に入れないようにしましょう。
蓄電池のデメリットを言わない
「蓄電池を設置後、毎月電気代がいくらお得になる」「10年以上立てば100%元が取れる」など、蓄電池のメリットのみを説明し、デメリットに関しては説明しない場合にも注意しましょう。
設置をした後の定期点検やアフターフォローについてなど、メリットだけではなくデメリットについても説明してくれるかどうかが重要です。
補助金に関する知識がない
蓄電池を設置する際の補助金は、自治体で受けられる場合があります。しかし、悪質な訪問販売業者は蓄電池そのものを売ることしか考えておらず、蓄電池に関わる制度については詳しく理解していないケースが多いです。
ほかにも、特定の蓄電池以外の商品に関する知識、過程に適した蓄電池の選び方などには詳しくないこともあります。
蓄電池の訪問販売や勧誘の悪質業者に騙されないための対策
蓄電池の悪質訪問販売や勧誘業者とのトラブルを避けるためには、「訪問販売」という売り方そのものや蓄電池に関する知識を身に付けておくことが大切です。
そこで、悪質業者に騙されないようにするためのポイントを紹介します。
訪問目的を確認する
特定商品取引法では、企業が訪問販売を実施するにあたり、「相手に対して会社名や契約をしてもらう目的で勧誘していること、販売する商品に関して説明しなければならない」と定められています。
訪問販売業者が突然訪問してきた際には、企業名や、「契約してもらうことが目的である」と最初に告げたかどうかをしっかりチェックしましょう。
契約したくない場合や訪問販売業者が企業名を名乗らない場合など、少しでも不信感を抱いた場合には家に入れないことが大切です。
蓄電池のコストに関しても考える
家庭用蓄電池を設置すると電気代を節約できるといったメリットがあっても、導入するためには蓄電池のそのものの購入費用や、設置工事費用がかかります。
購入者センターに寄せられた相談事例のなかには、蓄電池を設置で「ローンを組んだものの支払いが困難な可能性がある」「高額な買い物だったのでしっかりと検討したうえで契約しなければならなかった」などの内容が多いです。
蓄電池を契約する場合には、様々なコストについて検討し、契約する必要があるでしょう。
契約書を細部まで確認する
蓄電池を契約する際には、あらかじめ見積書や家庭用蓄電池の種類、設置工事費用や助成金の申請などに関してしっかり理解しておくことが大切です。
さらに、訪問販売や勧誘業者は契約書面を交付する必要があるため、契約時には契約書面を確認しましょう。
売電よりも自家消費したほうが良いとは限らない
太陽光発電システムを設置している家庭では、固定価格買取制度が終了した後、蓄電池と併用して自家消費するか、売電をするかを選択できます。
ただし、どちらが経済的にメリットが大きいかに関しては、蓄電池の価格や電力会社の買取メニュー、電気料金などで異なるため、経済的な面のみで判断しないようにしましょう。
蓄電池の悪質業者とのトラブルを回避!見積もりを取って検討しよう
家庭用蓄電池の悪質な訪問販売業者や勧誘業者には、特徴があります。例えば、蓄電池のメリットだけを説明する業者の場合、「売電より蓄電池で自家消費したほうが良い」と言われても、自分で情報を集めて冷静に判断することが大切です。
また、補助金や蓄電池の選び方など、蓄電池そのものだけではなく蓄電池に関連すること全てについて知識が豊富かどうかもチェックポイントだといえます。
蓄電池の設置を検討していても、訪問販売業者と契約せず、ネットで見積もりを依頼して十分に検討しましょう。